TEN Auto Radio MODEL AT- 1110-1 富士通カーラジオ

昔のカーラヂヲです
富士通テン製造、年代は1968–1972で国内の車だけでなく
VW(フォルクスワーゲン)にも採用されたそうです
フリー・マーケットで500円で購入、埃だらけで動くのか
不安です。↓

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型式が読み取れます↓

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とってもシンプル、スピーカー、電源、アンテナ↓

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取り敢えず掃除します↓

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開封してみました、おお!! ↓

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トランジスタがCANタイプです↓

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バックライト↓

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おおー、回路がシンプルだ、何となく回路図が浮かんで来る↓

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パターンが当然のように手書きです、いいねぇ↓

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ダイアルギア、良く出来ています、回しすぎても空回りして安全↓

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これこれ、これなんです、当時のチューニングシステムは完全メカ式
μ同調と云われるコイルとコアに依るインダクタンスの変化で選局
するのです、バリコンは使わなかったのですね、理由は謎です ↓

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バックライトが切れていたので高輝度白色LEDに置き換えました ↓

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パワートランジスタが説得力有ります、車のラヂヲは音量が
要求されます2SB466 x2個 ↓

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掃除を終え組み立てて電源、スピーカー、アンテナを仮接続しました
恐る恐る電源を投入すると、動きました!!
 
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当時のカーラジオの選局とその記憶はメカ式で全て行われた事が
何より特徴でしょう、五個のプッシュスイッチで行います
・チューニングダイアルで選局し
・プッシュスイッチを引っぱる
・プッシュスイッチを押し込む
これで選局の記憶がメカ的に行われ次からはプッシュスイッチを
押すことで選局します ↓

このラヂヲが現役だった頃、私はまだ中学生くらいでした
当時のカーラジオは車に乗って夜のドライブ時、ラヂヲの
パネルのダイアルが暗い車内にイルミネーションの様に
浮かび上がりその幻想的でも有り近代的でも有る雰囲気
が今も忘れられません、車というものは家と違い車内は
何か良い匂いがしたものです、そしてこれで何所にでも
行ける、色々な発見が有る、出会いがある、そうした
ワクワク感が少年だった私にとって 夢 希望 を感じ
るアイテムだったのです、車好きはそこから始まった
のかも知れません。

Panasonic RF-H760 を修理する

フリー・マーケットで購入したPanasonic RF-H760はこれ↓
1990年11月発売モデル 今からおよそ28年前

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前のブログで書いた二個の内の一個です、壊れていました
症状は・・・・
・新品未使用電池を入れてもバッテリィ切れの表示が出る
・時計は動く
・ラヂヲは動作せず

この症状から推測すると・・・
①バッテリィ電圧値測定回路の故障
②単純に回路電圧が低下している

確率として②だと推測、根拠は接触不良、良く有る故障です
これだったら直せるかも知れない
早速開封しました↓

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うわぁ・・・きったねぇ↓

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基板半田面↓

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基板実装面↓

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このラヂヲの特徴ですがスピーカーと電池はリード線では無く
バネを使って接続しています、これはスピーカー↓

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これは電池↓

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たぶんこれだな、電池の為のバネの接触不良だろう
ならばカッターナイフでカリカリと錆をこそぎ落とせば良い
他にもスイッチ用のバネも有るので全ての錆を除去↓

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おー、直った!! 
・・・と喜んでいたのですが、現実はそうは行きません
聞いていると時々音が小さくなったり大きく成ったりするのです
で、指でコンコンと叩くと変化するのです
ふぁ・・・未だ接触不良かぁ・・・・(泣)
ここからが長かった、再度開封して調査する事二日、コンコン
コンコンとただひたすら突いては不良箇所を特定するのです

見つかりました、これです!!

半田クラックです

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拡大しましょう、判りますか?クラックが入っているのです
部品の足の周囲にほんの僅かですがクラックがグルリと囲んでいます↓

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この部品はバーアンテナのコイルの端子です、詰まりインダクタンス
に対して直列に抵抗が入る訳です、時々音が小さくなったり大きく成ったりするのは
感度が低下したり戻ったりの現象だったのですね、AGCが働いてS/N比も変わります
早速追い半田しました↓

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拡大するとこう成ります↓
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折角なので半田付けした部分をアルコールで清掃しハヤコートを塗布↓

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また、アルミパネルの裏側の汚れを掃除したので接着剤で貼り合わせます↓

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ところで、設計思想の話しですが、スピーカーと電池に対して
リード線を使わない事のメリットは容易に想像が付きますね
はいそうです生産性の向上の為のアイディアです、確かにそれは
認めます、が、量産品と単品モノの大きな違いがここに不良と
成って現れるということですよね、バネを使うと言うことで常に
基板は押され続ける訳です、従ってこのように湾曲して仕舞うのです↓

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この湾曲がそもそも最初に発覚した接触不良と成って現れたのです
永い年月を想定していたでしょうか? そんな事は無いでしょう
精々五年も持てばラヂヲなんか買い換えて呉れるだろうという
メーカー側の戦略が視えて来ますね
・・・という訳で800円で二個のラヂヲは両方共完動品へと命を
吹き返して今も元気に鳴っています↓



東芝ラヂヲ TY-SPR1 を修理する

フリー・マーケットで購入した東芝ラヂヲ TY-SPR1はこれ
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売り主との交渉が奇異だった、別のラヂヲと合計二つで

「いくらですか?」
「800円」
「え?一個?二個で?」
「二個で800円」
「今、電池入れて確認して良いですか?」
「動いたら高くなります」
「え?」
「今の状態で800円です」
「うーん・・・、判りました買います」

何が奇異かと言うと動くかダメか判らないから800円なのに
お客に確認させて動いたらもっと高くするという理論は
洋服を買うときに試着すると高くなる、という事と同じ理論で

論理破綻しているのです、ただ大きな違いはフリー・マーケット
では状態がどうかは全く確認されずただのモノとして売っているのです
どう使おうが客の勝手で発火しようが怪我しようがそんなもん
関繋無いのです、だから領収書も発行しないしだから税務申告

しているかどうかも不明です、そもそも純粋なフリー・マーケット
は素人が行うものですが大井競馬場のフリー・マーケットでは
何十年も同じ面々が店を出しています素人とは言い難くプロです

東京都公安委員会古物商許可も持って居るか持って居ないかスラ
判りません持って居れば掲示する義務が有ります、だから脱税の
温床だと私は思っています日に何十万と売る業者を知っています。

さて、本題に戻りましょう。

結論から言えば二つとも動かない、壊れていました、正確に
言うと一個は半分壊れていました、ここで修理したラヂヲはAM/FM
の2バンド受信型なのですがスイッチが不良で AM が受信出来ずいつも
FMだけなんです、これなら直せると思いました。

早速分解です

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このスイッチが壊れています↓

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うん? 半田してないぞ? 六本足の内の一本が未半田だ
天下の東芝がなんで?これが原因?↓

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スイッチを外さなければなりませんので特殊な半田を使います
低温で溶けている時間がとても長いのです↓

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スイッチ、2回路2トランスファー型ですね、外れました↓

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スイッチの導通テストをしたところ、2トランスファーの片方の
AM側の導通が有りませんでした、バラしました↓

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ははぁーん・・・やっぱりね、バネがヘタって平に成って居る様子が
判ります、2回路の実際に使用される側のスイッチ・バネがダメです↓

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材質は 燐青銅 又は同部類のバネ材のハズです、二つの場所を
入れ替えて平では無い方のバネに換えます、序でなので接点保護材
のケイグを塗布しました、接点も磨きました↓

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元通りに組み立てました↓

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基板の半田を除去しアルコールで洗浄します↓

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半田付けはアルミットを使いました、鉛フリーとか此処では関繋無し
信頼性が有ります↓

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スイッチを基板に実装しました↓

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ここで仮の動作確認を行います 
AM/FM 切り替えられるように成りました↓

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組立を元に戻します、爪を折らない様に慎重に・・・↓

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完成です↓
FM J-Wave  イアフォンがアンテナ代わりなので受信はノイズ交じり↓

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当該スイッチをAMに切り替えます↓

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ちゃんと受信しました、修理完了、経過時間90分。↓

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取扱説明書は未だネットに見つかります、値段ですが
定価で7,000円ぐらい、中古で2,000~3,000円ぐらい
まぁ800円でも安かったから結果オーライ。

仕事が暇なときはこうした修理をやっていると腕が鈍りませんね
昔、ランドセルの業者が暇なときに古いランドセルを壊して
ミニ・ランドセルに造り替える事をして居ましたね、それと
同じです。