有楽町国際フォーラムの大江戸骨董市で購入したラヂヲです
5,000円の言い値を4,000円です、訊けば「動きますよ」の回答で
何の問題も無い、取扱説明書、DCアダプタも付属
愉しみに帰宅したのです、早速、電源スイッチを ON !! ・・・・・
「あれぇ・・・???」
ウンともスンとも言いません
「八街かぁ(ヤッチマッタかぁ)、騙されたぁ、悔しいぃぃ・・・」
ところでこの記事を書くに当たっては下記の諸先輩方の記事を大いに
参考致しました、厚く御礼申し上げます。
私の記事の中で使用している液体などは過去の経験から出たいわゆる独断
ですので決して真似は為さらないで下さい、「アホか」程度に留め
置いて下されば良いです、下記の様なものです。
・グリス
・ベビーオイル
・接点復活剤
・グラスター
・ハヤコート
真似て失敗為さっても全く関知しません。
さて、早速様子をみてみましょう
SONY ICF-SW55 1991/10/18 定価52,290円
矢鱈にスイッチが多いので好き嫌いが分かれます
チューニングダイヤルはFAST/SLOWの切り替えが出来ますスカイセンサー
以来の流れですね、スペックは以下の通りです
↓
DCアダプタは6Vですがスカイセンサー等のプラグより細い3.8φ(ノギス測定)
↓
どうやらこのラヂヲはほぼ全てがスタンド、折れてしまう様です
なので紛失してます
↓
時計が入っているので「電池交換はサッサとやりなさい」って事です
↓
コンピュータのバックアップとして・・・の文言、凄いですね
今時こんな書き方しません、コンピュータかぁ・・・マイコンだよね
↓
英語表記もコンピュータ
↓
左が照明スイッチ、右が時計合わせスイッチ
↓
左から
AM感度
AM外部アンテナ
テープレコーダー録音・リモート
同、音声出力
イヤーレシーバー(ってカッコ良く言ってみた、ヘッドフォンね)
DCアダプタ入力ジャック
↓
左から
ボリューム
音質
MONO/STEREO
↓
ところで、何時間かして電源スイッチをONしたら突然音が出たのです
なんで?・・・・
思い起こすと電源スイッチを何度も何度も押したから突然何かのタイミング
で動き出したのでしょう、詰まり、電源スイッチの接触不良でしょう
この種類のラヂヲは基板にシリコンゴムパッドが接触する事でスイッチが
押された事をCPUが判断しています、従って使用頻度の高いスイッチは
接触不良が発生するのです、それなら何とか成ります。
序でに書いて置くのですが電池を入れた瞬間から液晶の時計が動き始め
ましたので基本的にラヂヲの電源ON/OFFの問題でしょう。
早速開封します、ビスは五本、LONGx4 SHORTx1
↓
どこのメーカーさんでもこの発砲ウレタンは腐ります
↓
チューニング・ダイヤルは引っぱれば取れます
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↓
ビスだけでは外れません、一辺は爪が在って嵌め逢いです
↓
ご開帳、左が操作パネル、右は残り本体、一面をシリコン・ラバー
が覆っています
↓
チューニング・ダイヤル部分に透明の半欠けのリングが在ります
なんで欠けているの? 破片はみつかりませんけど
↓
チューニング・ダイヤルはこのビス二本を外せば基板から離脱します
↓
予想通りですね、シリコンラバー、キーパッドの下はスイッチ基板です
↓
ここが電源スイッチ
↓
これが犯人でしょう、きっと
↓
ほーら、これだけ何だか艶がある、使用頻度が高いからです
リモコンもそうですが使用頻度が高いスイッチは故障します
↓
背面キャビネットを外しました
↓
アンテナとブザーです何れも半田付けでは無く爪が基板のパッド
に当たって接触しているのです
↓
爪は二本で接触不良を防止して居ます
↓
アンテナも然り
↓
部品点数多いですね、こういうのが嬉しいと思うのは可笑しいですか?
↓
スピーカーは8Ω 0.5W
↓
基板は三層に成って居ます、大まかに書くと
操作部関連、つまりヒューマン・インターフェイス部
CPU部
ラヂヲ部
↓
フレキシブル・フラットケーブルは切れますので慎重に扱わないと
面倒な事に成ります
↓
半田付けされて居ます、剥がれたら・・・ああイヤダ
↓
電池電極の錆は無し、液漏れは経験していないのですね、良かった
↓
M1 M2 スイッチも艶が出ています、使用頻度が高いからです
↓
あまり遣わないスイッチはこのように艶消しです
↓
照明のLEDです
↓
と、思ったら「麦球」だぁ!!!! なんか嬉し懐かし
↓
背面キャビネットの埃を掃除します
↓
さてと、スイッチの修理に入ります、アルミフォイルをパンチ
で抜きます
↓
こんな感じ
↓
消しゴムで広げて・・・と
↓
接着剤を遣います
↓
爪楊枝で接着剤を塗布
↓
使用頻度の高いスイッチに貼ります
↓
電源スイッチ
ENTER
1
M1
M2
M3
・・・とこんなもんで良いだろ、全部ヤルのは意味が無いし
剥がれ落ちるリスクもあるし
↓
腐っていた発砲ウレタンは綺麗に落として掃除して劣化しない
何だったか忘れたけど高かった発泡体で張り直し
↓
液晶は眼鏡拭きで綺麗に曇り(生活ガス汚れ)を落とします
ティッシュペーパーでやったら絶対ダメ、紙やすりみたいな
細かい擦り傷に見舞われます
↓
CX20111はラヂヲ専用デバイスです
↓
バーアンテナの大きさと感度は比例すると信じています、え?ちがうの?
160mm
↓
ブザー、アンテナと接触するパッドを掃除します
↓
CXD1118Mは何だか判りませんでした、CXDは何しろデジタルICです
↓
判りました FM-PLL デバイスです 2018/11/08追加
下の方に IC8 が在ります、これです
↓
このスイッチは一体何なんでしょう、サーヴィススイッチなのか
なにしろ隠されたスイッチです
↓
これこれ、これが後で意味を持ってきます
ところでこのスイッチ、見覚えがあります、昔のPC98のフロッピーディスク
ドライブにも付いていました、フロッピーディスクの有無を検出するの
です
です
↓
作業の途中で電源ONしようとしてシリコン・ラバーを貼って電源ONスイッチ
を押すのですが ONしないのです 焦りました、が、フロント・パネルを
実装するとONするのです、何かカラクリが有るのです
↓
電源スイッチに当たるように成って居ます、この棒が上の写真のスイッチ
に当たる事で初めて電源ONが可能と成るセーフティスイッチの積もりでしょうね
↓
このクリップはとても重要な部品です
↓
スイッチ基板とCPU基板を繋ぐシリコン・コネクターです
良く紛失するらしいので諸先輩の記事は有り難いです
↓
これね、簡単に脱落します、床に落としたら気付かず掃除機の中へ
↓
シールド版はGNDに半田付けされて居ます
↓
折角開封したのでハヤコートを塗布します、但し半導体関連のみ
メカ系には御法度です
↓
バーアンテナは四本線ですからコイルが二つって事ですね
↓
スピーカーは樹脂のキャビネットに実装されて居ます、分離するとき
スピーカー周囲のゴムパットがくっついてくるので要注意です
伸び切ったり、切れたりしないようにゆっくり慎重に
↓
フレキシブル・フラットケーブルはFCコネクターで分離可能です
ノッチを持ち上げて引っぱれば抜けます
↓
如何にもスピーカーって感じ
↓
フレキシブル・フラットケーブル
↓
スピーカーは2Pinのコネクターで外れます
↓
諸先輩の記事に依りますとこの機種に使用されている電解コンデンサーは
時代的に四級塩電解液使用のコンデンサで不良の山に成る危険性が高い
とのこと、いづれは全て交換しなければなりません
↓
470uF/10Vが一番容量が大きいです
↓
見える部分だけでも電解コンデンサーは24個有り、DC/DCコンバーター
のシールドケース内にも一個、合計25個です、パーツはRSコンポーネンツ
で買えます、リストはこの記事の一番下に書いて有ります
470uF/10V x3 10-9L(φ径-高さ)
100uF/6V x5 6-6L
220uF/4V x1 6-6L
47uF/6V x5 5-4L
22uF/6V x8 4-4L
4.7uF/35V x3 4-4L
↓
こりゃ面倒だわ、でも、いずれ壊れる運命です >電解コンデンサー
↓
背面のキャビネットにひび割れ防止に ベビーオイル を塗布
↓
ビスのタップのボスにも割れ防止にグリスを塗布
因みにスカイセンサーの修理で覚えた方法です
↓
操作パネルにも ベビーオイル を塗布
↓
液晶パネルと液晶窓をグラスターで綺麗にコーティング
あ、ティッシュペーパーはダメねガーゼが良いです
↓
チューニング・ダイヤルの摩擦部分にグリス塗布
↓
嵌め逢わせの爪、折れやすいのでグリスを塗布
あ、そうそう、ボリュームにも接点復活剤を塗布しました、ガリオームでは
無かったですけどね
↓
ほほぅ・・・こんな所にリセットスイッチが在る、人生はリセット出来ないよ
若者諸君、ゲームのヤリ過ぎはそう考え勝ち
↓
ってことで、何時間も掛けてメンテしたのに・・・・
電源が入らなく成ってしまった
なんで? どうして? 何がいけなかったの?
ああ・・・・嫌だいやだイヤダ・・・・こんなラヂヲ
—
と悲しんで数時間経過、その間も液晶の時計だけは空しくカウントアップ
—
あぁあ、とりあえず電解コンデンサー全交換してみっか・・・諸先輩方の
不良症状を読むと・・・
電源ON
CAL の表示が続き
音も出ず
電源が勝手にOFF
・・・全く同じ症状では無いか、ならば素直に交換しようぜ、って決心
早速電解コンデンサーをRSコンポーネンツに全部注文した、最近の
RSコンポーネンツは送料無料なんだよね、ここだけの話しChipOneさんと
争って居るんですよ、値段と最低注文数と比較するともうね、10銭単位で
値段競争しています、鍔迫り合い、凄いですよ、で、序でに書くとミスミ
半導体でも買えるけど勝負に成らない、凄いですよものすごい努力してます。
で、一通り注文したら送料無料で 945円でした!!! 秋月では揃いません。
で、で、フッと電源スイッチ押したんですよ、悲壮感の中。
ありゃ? 音が出た!!!
何なの? なんで? どうして?
ここからは推測です。
諸先輩の仰る電解コンデンサー不良が原因では?
詰まり・・・
・電池が入った
・DCアダプタが接続された
・・・この時点でCPUは ST-BY している訳です
電源が投入されるとCPUが彼方此方チェックして回る
この時にある特定の電圧が有ってそれが定格内に無いと 不良 と判定して自動的に
電源OFFに成る、CAL とは CALIBRATIONの意味だとすると電源ON時、毎回
セルフ・チェックして立ち上がる様にソフトウェアが出来て居る、この仮説がもし
正しければ電解コンデンサーは不良であるが故にその電圧値が変動し定格外に
外れ込む、というかドリフトして行く、その結果CPUは異常と判断して電源を
ST-BY → ON → CAL → OFF へと切り替えるのだろう、そう思うんです。
思えば常に乾電池が入ってる状態でDCアダプターを繋いでいたから動いていた
詰まり、不良の電解コンデンサーは ST-BY では或る一定の電圧値をキープしていて
CAL では NG と判定されなかった、だから正常に動いていた
それがメンテしていた時間中、完全に無電源状態が数時間と長く続き、
電解コンデンサーは電圧値が規格内に入らず電源ONしなかった、ところが、
諦めて部品注文していた数十分間はDCアダプタが繋がった状態で ST-BYしていた
この間に電解コンデンサーの電圧値がドリフトして行き CAL では定格内に入って
正常に電源ONする様に成った、そういう仮説を立てて居ます、今もラヂヲ
(FEN)を聴き乍ら記事を書いて居ます。
以下追加 2018/11/08(木)
CALモードでCPUがセルフ・チェックをする、という仮説ですが
回路図を眺めると CPU IC902-65pinに Vref-TP918 という入力が有ります
この電圧を読んでいる、そんなふうに思います、これが正しければ
IC908の出力電圧3Vを測定して居ると思います、証拠にQ904のスイッチを
経由してラダー型のDACの基準電圧に成ってますよね、これが狂ったらDAC出力は
不正な電圧を吐き出してしまう、そう成ればなし崩しになるよね
↓
— 修理再会、2018/11/13(火) —
電解コンデンサーが揃ったので全交換します
開封
↓
液晶パネルを保護します
↓
基板は爪で押さえて居る部分が有るので折らない様に慎重に解体します
特に樹脂は経年変化で簡単に折れるのです
↓
交換すべき電解コンデンサーは右側の基板
↓
この基板はCPUを主とした全体の制御基板、この基板の電解コンデンサー
は交換しません、と言うか無い
↓
はい、この基板の電解コンデンサーを全て交換します、気持ちの準備
が必要です全部で25個
↓
ここで、ちょっと作戦タイムとしました
電解コンデンサーの交換を一度に行わず少しずつ行ってはちゃんと動作
して居るかを確認し乍ら行えば万一動かなく成ったとき電解コンデンサー
を特定出来ます、なので液晶の保護は文字が見える様ビニル袋にします
↓
操作パネルが無いと電源が入りません、なので操作パネルが無くとも
電源が入るようスイッチをテープで固定します、電源スイッチのすぐ上
↓
電池ケースは使えないので外部電源を直接半田付け
↓
交換前の電解コンデンサー
↓
交換する為に購入した電解コンデンサー、RSコンポーネンツで買えます
送料無料で千円掛かりませんでした
↓
最初の一個目、剥がすのでは無く 揺すって 脚を金属疲労的に切ります
半田ゴテで摂ろうとするとパターンが剥がれて失敗するとの報告が経験者
の方々の記事に書かれています
↓
最初はラジペンでグラグラにして置きます
↓
次ぎに虫ピンなどを遣ってグリグリと揺すって切り落とします
↓
パターンに残った脚を半田と共に除去
↓
アルコールで掃除
↓
新しい電解コンデンサーを実装
↓
電解コンデンサーのベースプレートが残ります、コテを当てて取ります
↓
この時、途中で動作チェックを行います
↓
これを繰り返して行きます、精神的に全部交換してからの動作チェック
よりも楽です、ここまではOKって確信が有るのはメリットが有ります
↓
これこれ、ここは私には一番難しかった電解コンデンサーです
水晶の横の二個、半田ゴテで黒い部品を溶かしてます
↓
仕方無いのでここの二個の電解コンデンサーのベースプレートは除去し
脚を斜めに伸ばして半田付けしました
↓
そろそろ終盤戦です
↓
ベースプレートの無い電解コンデンサーは振動に弱くなっていますので
ホットメルトで上部を固定します
↓
メモリーバックアップ用のスーパーキャパシタ、これはこのままとしました
↓
最後はシールドケース内、DC/DCコンバーターの電解コンデンサー
これでお仕舞いです
↓
終わりました、ふぅーー
↓
CPU基板の方にハヤコートを塗布、先回、後でいいやと思って居たからです
↓
後で開封したときのために一目で判るように交換した電解コンデンサー
にペイントマーカーを付けます
↓
RSコンポーネンツの部品は少し余りました、最低注文数量が決まって居る
為、半端が出るのです
↓
交換前のメモ、字が汚い
↓
RSコンポーネンツの番号と単価は下記の通り
↓
ニチコン 導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ 470μF, 10V dc,
RS品番:268-685
数量:5
Panasonic 電解コンデンサ 100μF, 6.3V dc,
RS品番:568-878
数量:5
Panasonic 電解コンデンサ 47μF, 6.3V dc,
RS品番:565-728
数量:5
ニチコン 電解コンデンサ 220μF, 6.3V dc,
RS品番:715-1584
数量:10
Panasonic 電解コンデンサ 22μF, 6.3V dc,
RS品番:537-0714
数量:10
Panasonic 電解コンデンサ 4.7μF, 35V dc,
RS品番:537-0039
数量:5
RS品番:268-685
数量:5
Panasonic 電解コンデンサ 100μF, 6.3V dc,
RS品番:568-878
数量:5
Panasonic 電解コンデンサ 47μF, 6.3V dc,
RS品番:565-728
数量:5
ニチコン 電解コンデンサ 220μF, 6.3V dc,
RS品番:715-1584
数量:10
Panasonic 電解コンデンサ 22μF, 6.3V dc,
RS品番:537-0714
数量:10
Panasonic 電解コンデンサ 4.7μF, 35V dc,
RS品番:537-0039
数量:5
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作業時間ですが午後一で開始して終わったのが夕方六時
何が辛いかって小さな電解コンデンサーで脚が殆ど視えない短足
それを上手く表面実装するには視力がものをいいます
私はルーペ併用でした、一番の難関は水晶の横の二個、これが
上手く出来る人は実装のプロです。
ラヂヲは今までの主役の座を奪ってメインで使用しています
何が便利かというとタイマーで五個の放送を設定時間でONし
OFF出来るということ、私は報道と英会話を設定しています
朝一の設定は目覚ましラヂヲに成ります。
これで ICF-SW55の記事は終了です、お読み下さり
有り難う御座いました。
追記、2018/11/16(金)
電解コンデンサー交換で本当に直ったのか時間を置いてチェック
しました。
結果は直りました。
電解コンデンサー全交換後、24時間無電源ディスチャージした後
電源ON→CAL→正常起動、するかのチェックです、交換以前は
数時間無電源にすると電源ON→CAL→数分そのまま→電源OFF
でした、矢張り諸先輩の方々の云われる通り電解コンデンサーの
不良だったと断定しました。
電源ON→CAL→正常起動、するかのチェックです、交換以前は
数時間無電源にすると電源ON→CAL→数分そのまま→電源OFF
でした、矢張り諸先輩の方々の云われる通り電解コンデンサーの
不良だったと断定しました。